近年少子高齢化ともに、全国的に問題視されているゴミ屋敷。
ゴミ屋敷は、衛生面や火災のリスクなどから、近隣や自宅がなってしまった場合は解決したい問題です。
隠れゴミ屋敷なども含めたら、どんどんゴミ屋敷が増えてきています。
片付けたいという気持ちがあっても、心身に余裕がなく、片付けまで手が回らない方が増えてきていることが理由の一つと考えられています。
そして意外なことに、ゴミ屋敷となってしまっている住宅に住む人の年齢層は、高齢者の方が多いという傾向です。
なぜ高齢者だとゴミ屋敷を招いてしまいやすいのでしょうか。
その実態について迫っていきたいと思います。
ゴミ屋敷を作ってしまう人には傾向があると言われています。
例えば、
・ストレスが溜まっている
・忙しすぎる
・整理整頓が苦手
・強いこだわりがある
・身体が不自由
などが挙げられます。
高齢者の方の中でも特に配偶者が先立った後から、ゴミ屋敷を作っていってしまう方が多くなっています。
誰かと同居していれば、片付けをしてもらえたり、片付けようという意欲も湧くかもしれません。
ですが、単身で住んでいると「居住できていればいい」という感覚に陥ってしまいやすいのです。
配偶者の遺品がうまく整理できなかったり、自分の衣服や物をもったいなくて捨てたくないというこだわりがある方も中にはいます。
また、高齢になったことで、身体の自由が利かない方もいるでしょう。
家族が一緒に住んでいたり、たまに訪問してくれているのであれば片付けてくれることも可能ですが、家族の力を借りられない状況であれば、無理の利かない身体での整理整頓は難しいものがあるかもしれません。
このように、高齢者の方はゴミ屋敷を招いてしまいやすい条件が揃っているということになります。
高齢者がゴミ屋敷を作ってしまわないために、どのような対策が考えられるでしょうか。
ゴミ屋敷にしないために大切なことは、手遅れになってしまうために高齢者の方が行動をするということがポイントとなってきます。
すぐに片付けられないぐらいにゴミが増えてきてしまったら、その分対処が大変となってしまうので、早め早めに解決するために動かなければいけません。
ゴミ屋敷を作ってしまわないために出来ることは、
・1年使わっていない物は捨てる
・同じものを1つ買ったら1つ捨てる
・物の定位置を決めておく
などが挙げられます。
日頃から、物を出しっ放しにせずに、使ったら片付ける習慣をつけておくことです。
また、物をこれ以上新たに増やさないようにし、少しずつ減らしていくようにしましょう。
「終活」という言葉がよく聞かれるように、なるべくすっきりと身の回りの物を整理すべく、見直していくことが大切です。
高齢になってくると、体力面にも不安が募ります。
持病などがあれば、思うように片付けも出来ないかもしれません。
そこで考えられる方法は3つです。
1つずつ順番に見ていきましょう。
家族の協力が難しそうであれば、友人に協力を仰いでみましょう。
時間が経過すればするほど、家の状況も悪化していってしまうので、1人では片付けられないと思ったらなるべく早く周りの人に声を掛けるようにしてください。
お住いの市町村の保健所に連絡をしてみましょう。
保健所にセーフティーネットなどが用意されている場合もあります。
最近はゴミ屋敷になってしまった住宅の近隣住民の方が、行政に通報したりするのが話題になっていますよね。
現在の法律でゴミ屋敷を取り締まるものはありません。
ですが、各自治体でゴミ屋敷に対する条例を定めている場合が殆どです。
条例の内容は各自治体によって異なりますが、「行政代執行」の項目が設けられていることが多いです。
「行政代執行」とは、自治体の担当者から何度も片付けるように言われているにも関わらず、ゴミが減らない場合は行政が業者に依頼して代わりに片付けを行うことが出来るものです。
このように行政もゴミ屋敷問題に力を入れているので、行政に相談をしてみたら親身になってどうしたらいいか一緒に考えてもらえることが期待できます。
高齢者がゴミ屋敷を片付ける方法で1番確実なのは、業者に依頼をする方法かもしれません。
業者に依頼をすればスピーディーに片付けをしてもらえるだけでなく、希望をすれば防虫作業や消毒作業もしてもらえるところもあります。
どうしてもゴミ屋敷にしてしまっていると、害虫が湧いてきやすくなってしまいます。
害虫が1度湧いてしまうと、ゴミが片付いたとしても部屋のどこかに潜んでいたりして、しばらく悩まされることにも成り兼ねません。
なので、ゴミを片付けると共に一緒に害虫対策もしてもらうと、キレイになった後快適に暮らしていくことが出来るはずです。
消毒作業も同様に、長年汚れていたところは根強いカビがはびこってしまっている恐れがあります。
カビが根付いていると健康被害は生じることもあるので、出来たら一緒にキレイに掃除をしてもらうと安心出来ますよ。
高齢者とゴミ屋敷の関係について解説してきました。
どうしても高齢の方だと若い頃のように動く体力がなくなっていたり、持病を抱え思うように片付けが進まなかったりします。
配偶者や家族がいればいいのですが、助けを借りるのが難しいとなると、片付けが出来ないまま、新たな汚れを生んでしまうという悪循環に陥ってしまうことも考えられます。
ゴミ屋敷からの脱却はどれだけ早く着手出来るかで、片付けの困難さが変わってくるので、早めに誰かの力を借りるようにするのが得策です。
決して無理して1人で頑張ろうとはせずに、当記事で紹介したような対策で問題解決へと向かっていきましょう。